東京リバーサイド蒸溜所レビュー

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YUKI

YUKI

ひとり時間を楽しむのが大好き。日々楽しいことを探求しています。
たくさんの方がクラフトジンに興味を持てるような記事を目指しています。

東京蔵前にある東京リバーサイド蒸溜所の見学ツアーに参加してきました。

蒸留所の魅力や当日の様子をお伝えしていきます。

東京リバーサイド蒸溜所とは

蔵前駅から徒歩3分の場所にある東京リバーサイド蒸溜所。

2021年に東京で3つ目の都市型蒸溜所として設立されました。

1Fのオフィシャルストアでは、エシカル・スピリッツのジンをジンソーダやジントニックにしてテイクアウトドリンクとして購入できます。

香水瓶で試すジンの香りをたよりに、お気に入りのジンをボトルで購入することも可能です。

18:00にオープンする2FのBar &Dining「Stage」では、エシカル・スピリッツのジンを使ったカクテルや、ペアリング料理を楽しむことができます。

東京リバーサイド蒸留所では生産から消費までを一貫して行っています。

Ethical Spirits(エシカル・スピリッツ)について

Ethical Spirits(エシカル・スピリッツ)は、捨てられるはずだった酒粕や、コロナ禍で余剰となったビールなど、あらゆる未活用素材を蒸留したエシカルジンの製造・販売を行っています。

これまでに蒸留した未活用素材は50種類以上。

香り高いカカオの皮や、メロンのような甘い香りを生み出す新京野菜など、食用にならない茎や葉などもジンのボタニカルとして活用しています。

東京リバーサイド蒸溜所見学ツアーレビュー

蒸留所見学ツアーでは、エシカル・スピリッツのストーリーを聞きながら、蒸留所の見学と試飲をすることができます。

蒸溜所の様子を見学

東京リバーサイド蒸溜所では、年間13,000Lを超えるジンを生み出しているとのこと。

蒸留所には、容量500Lの蒸留器が設置されていました。

立派な蒸留器を前に、ジンの造り方をわかりやすく説明してもらえました。

ジンの製造工程は「加熱」「冷却」「カット」という3つの工程で行われています。

ベーススピリッツとボタニカルを加熱し、蒸気となったものを冷却することで、また液体に戻りジンの原酒となる部分が誕生します。

ハーブ類のボタニカルは、煮るより蒸すことで苦みをよけて清涼感を優先することができるので、ボタニカルの性質に合わせて加熱方法を調整しているそうです。

出来上がったものは蒸留家が経験をたよりに、ヘッド、ハード、テールに分けるカット作業を行い、ジンの原酒となる部分(ハード)を選び出します。

ここでカットされた、ヘッドとテールは次回のベーススピリッツとして一緒に入れることで、無駄を出しません。

ブランドを代表するLAST ELEGANTではおよそ5時間の時間をかけて蒸留しているとのことでした。

Bar &Dining「Stage」にて試飲

エシカル・スピリッツを代表する「LAST ELEGANT」「LAST ELYSIUM」「Distiller’s CUT V0l1”chiritumo”」の3つのジンを試飲することができました。

LAST ELEGANT

シグネチャーブランド「LAST」は捨てられるはずだった酒粕から生まれた酒粕焼酎をベーススピリッツに活用したエシカルジン

年間5万4000tも生まれる酒粕から新たな価値循環を生み出し、さらには酒粕の消費による酒蔵の利益向上を目指しています。

LAST ELEGANTは、鳥取県千代結び酒造の酒粕を活用し、ラベンダーやハイビスカスをボタニカルに加えたフローラルな香りが特徴のジン

ストレートで味わうと、華やかな香りが広がりました。

ソーダで割るとぐっと飲みやすくなり、爽やかな飲み心地です。

LAST ELYSIUM

LAST ELYSIUMのベーススピリッツは佐賀県天吹酒造の酒粕を活用しています。

酒粕のフルーティーな香りを活かしながらレモンピール、オレンジピール、シークワーサーの3種の柑橘類と生姜の葉、カモミールなどのボタニカルで、シトラスで青々とした香りが特徴

ストレートで飲むと、キリっとした味わいの中にほのかな甘みを感じることができました。

トニックウォーターで割って甘みを加えると、フルーティーな香りが際立ち飲みやすく、たくさんの人に愛される味わいを感じました。

Distiller’s CUT V0l1”chiritumo”

Distiller’s CUT V0l1”chiritumo”のベーススピリッツは、東京リバーサイド蒸留所でカットされ、製品化されることなく残されていたヘッドとテールの部分を再度蒸溜し、活用しています。

Distiller’s CUT V0l1”chiritumo”は東京リバーサイド蒸溜所の限定商品として販売。

ラベルデザインは蒸留所のある台東区で活動するクリエイターが担当しており、ボトル全体を通して東京産のこだわりを感じられる商品です。

シンプルで爽やかな味わいはストレートでも飲みやすく、ソーダやトニックで割ることでさらに気軽に楽しむことができます。

ボタニカルの突出した香りを感じるわけではありませんが、様々なボタニカルが凝縮されたベーススピリッツの深みを感じることができ、個人的には3種類の中で最も好みのジンでした。

気になるジンをお得に楽しめる

3種類の無料試飲のあとは、メニューの中から気になるジンをお得に楽しむことができます。

たくさんのメニューの中から「CACAO ETHIQUE」を注文

チョコレートづくりにおいて捨てられてしまうカカオの皮の部分「カカオハスク」を主役に蒸留したエシカルジンです。

ストレートで飲むと、香ばしいカカオの香りを感じることができます

優しい甘さがクセになり、そのままストレートでいただきました。

他にも、クラフトコーラの残渣を活用したジンや、サブスク会員向けに製造したグリーンカレーの香りを再現したユニークなジンなど、どれも魅力的なものばかりで迷ってしまいます。

エシカル・スピリッツのこれから

今後の展開としては、エシカル・スピリッツ2つ目の蒸留所として茨城県つくば市に「つくばグリーンヒル蒸留所」の建設を予定しています。

廃校になった小学校の体育館を活用し、今まで酒粕焼酎として買い取っていたものを、酒粕から焼酎にできる設備も備える予定とのことです。

それにより酒蔵の負担も軽減され、一層酒蔵の利益につながる循環が可能となります。

また、ジンの蒸留に加えて木の酒を民間事業者として製品化・販売するプロジェクト「Wood Spirits」の製造も行う予定

今後の展開にも大きな期待が集まります。

東京リバーサイド蒸溜所見学ツアーの概要

東京リバーサイド蒸留所見学ツアーの申し込みは公式サイトから。

日時は指定された日曜日の11:00/13:30/16:00の3回となっています。

料金は2500円でオンラインショップでの支払いが必要となります。

注意事項を確認の上で、当日5分前までに2FのBar &Dining「Stage」に行きましょう。

ジンについての知識を深めることのできる素敵な機会となりました!

蒸留所の見学から試飲と、およそ60分の東京リバーサイド蒸留所見学ツアー。

当日は定員10名のツアーに9名の方が参加しており、飛び交う様々な質問にも丁寧に応えてくれ、とても充実した時間となりました。

エシカル・スピリッツでは様々な未活用素材の隠れた才能を引き出すために挑戦しており、蒸留家の方からしか聞くことのできない失敗談を含めた貴重なエピソードはこれからジンを楽しむ際にも役立つ知識となります。

クラフトジン初心者の人も、さらに知識を深めたい人にもおすすめの見学ツアーでした。