コロナ禍をきっかけに、自宅でお酒を楽しむ機会が増えた人も多いのではないでしょうか。
個性豊かなクラフトジンも自宅で楽しめるようになり、ついたくさんのジンを試してみたくなるものです。
今回は、購入したジンを最後まで美味しく楽しむために、ジンの適切な保存方法を紹介します。
余ってしまったジンのアレンジ方法もあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ジンの賞味期限
まず、ジンはアルコール度数の高い蒸留酒なので腐ることはありません。
高いアルコールによって腐敗の原因となる菌が存在できないので、賞味期限自体が存在しないのです。
腐ることはありませんが、開封後は空気に触れることで酸化し、風味が損なわれるので、目安としては6カ月で飲み切ることがすすめられています。
開封後1年を過ぎると、なにかの要因で傷んでいることも考えられます。
遅くとも開封後は1年以内に飲み切ることを目安と考えておくといいでしょう。
未開封であっても20~30年もすると風味が落ちるといわれています。
ジンの保存方法
ジンの保存には3つの方法があります。
それぞれの好みが反映されやすいので、一概にどの方法が正しいとはいえません。
どの方法にも特徴があるので、ジンの種類や飲み方、好みに合った方法が適切な保存方法といえるでしょう。
冷暗所で保存する
ジンは、冷暗所での保存が基本とされています。
製造メーカーのサイトでも、ほとんどが「高温多湿を避けた冷暗所」で保管するよう記載されています。
バーなどたくさんのジンを扱うお店でも、ほとんどが常温で保存されています。
冷蔵庫で保存する
冷暗所といっても気温の安定しない環境が気になる場合は、冷蔵庫での保存も適切です。
ジンの種類によっては冷蔵庫で保存することで口当たりに変化が生まれるので、飲みやすくなる場合もあります。
ゆっくり長い時間かけて楽しみたいジンは、冷蔵庫で保存しておくと安心です。
冷凍庫で保存する
ジンを保存する場所でよく耳にするのが冷凍庫です。
ジンはアルコール度数が高いので、冷凍庫に入れても凍ることがありません。
そのため、中身が凍って膨張することもないので瓶が割れるという心配もありません。
また、冷凍保存ならではのメリットもあります。
冷凍保存のメリット:冷たい
ジンをカクテルで楽しむ機会の多い人は特に、冷凍保存がおすすめ。
定番のジントニックやジンソーダなどの氷を使うカクテルを作る時に、ジンが冷えていることで氷が溶けにくくなり、カクテルが水っぽくなるのを防ぎます。
ひと口目からキリっと冷えたカクテルを楽しめる魅力があります。
また、ストレートで飲む際も冷たさが際立ち飲みやすくなります。
冷凍保存のメリット:とろみがつく
ジンを冷凍保存することでとろみが生まれます。
これは、アルコール度数が高く凍らないために、分子の活動が鈍くなることで起きる現象です。
冷凍庫で冷やしたジンをグラスに注ぎ、そのままストレートで味わうことで、飲んでいるうちに温度が上がり、変化する舌触りや風味を楽しむことができます。
冷凍保存のデメリット:香りが抑えられる
冷凍保存することで香りが抑えられ飲みやすくなる反面、繊細なボタニカルの香りを感じにくくなってしまうというデメリットもあります。
温度によって感じやすい風味が変わってくるので、種類によっては肝心な香りを感じにくくなってしまうことも。
好みの問題も大きいので、まずは常温で飲んでみて、冷凍保存したジンとの違いを感じてみるのもいいですね。
最も香りを感じやすいのは、常温のストレートといわれています。
火の近くは避ける
ジンはアルコール度数が高いので、火気に注意する必要があります。
ガス台などの近くは、万が一の際に引火すると大変危険なので避けなければなりません。
ボトルの温度が上がってしまうとジンの劣化が早まってしまうことも考えられます。
ボトルのデザイン性が高いジンも多く、目の付く場所に置いておきたいところですが、直射日光の当たる場所も含めて、温度の高くなる場所での保存は避けましょう。
長期保存を避けるポイント
開封後も長期保存可能なジンですが、やはり開封したてが一番おいしく、少しずつ風味は損なわれていきます。
そのためには、ストレートやカクテルなど幅広い楽しみ方に合うジンを選ぶことも大切です。
個性的な味わいのクラフトジンなどは事前にお店で試してみたり、飲み比べのセットや容量の少ない瓶を選ぶのもポイント。
大きい瓶は保存場所も限られてしまうので、計画的に購入するようにしましょう。

飲み切れないジンのアレンジ方法
個性の強いクラフトジンが口に合わなかった場合、飲み切れずに残ってしまうことも。
そんな時は、あえてジンの風味を抑えたアレンジでの飲み方もおすすめです。
ブラッディ・サム
ブラッディ・サムは、ジンをトマトジュースで割ったカクテルです。
名前の由来は、ありふれたイギリス人の名前から。
トマトの香りとドロッとした口当たりで、ジンの風味を抑えてくれます。
カクテルに使うトマトジュースは、食塩無添加の物を選ぶのが基本。
塩や胡椒を加えるとピリッと引き締まった味わいが楽しめます。
ソルティドッグ(オールドスタイル)
ソルティドッグと聞いてほとんどの人が思い浮かべるのが、ウォッカベースのカクテルではないでしょうか。
グラスの縁に塩を纏ったスタイルで提供される姿が印象的なカクテルです。
ところが、オールドスタイルのソルティドッグはウォッカではなくジンを使用していたといわれています。
ジンに少量の塩を入れ、グレープフルーツジュースで割ることで家庭でも簡単にオールドスタイルのソルティドッグを味わうことができますよ。
味の強いグレープフルーツジュースは、ジンを飲みやすくしてくれます。
好みのジュースで割ってみる
カクテルというスタイルにこだわらず、好みのジュースで割ってみると意外なおいしさを発見するかもしれません。
定番のオレンジジュースはもちろん、コーラやジンジャエールなどの飲み物で割ることで新しい味わいが生まれます。
失敗したらジュースはそのままで飲めるので、無駄な材料が出ないのがポイント。
実験的な飲み方で、組み合わせを楽しんでみるのもいいかもしれません。
ホットジンで味わう
温度によって香りが変化するジンは、ホットジンにすることでまた違った味わいを感じることができます。
作り方はお湯とジンを混ぜるだけと簡単。
グラスが温まり、ジンと混ざりやすくなるのでお湯を先に入れるのがポイントです。
お湯の温度やジンの量はお好みで。
自分好みの黄金比を見つけてみてください。
冬の寒い日や、寝る前のリラックスタイムなどにおすすめの飲み方です。
処分方法と注意点
どうしても飲み切れずに処分する場合は、必ず中身を捨ててから処分しましょう。
アルコールの入ったままの容器を廃棄すると、爆発することがあるので注意が必要です。
ジンには油分がないので、台所などにそのまま流して問題ありません。
匂いが気になる場合は水を流しながら流すと軽減されます。
アルコールが苦手な人や小さな子どもがいる場合は換気も忘れずに行いましょう。
風味が落ちる前に飲み切ろう!
ジンの適切な保存方法は、高温多湿を避けること。
それ以外であれは、常温でも冷蔵、冷凍でも好みの保存方法で問題ありません。
繊細な香りをもつクラフトジンは、同じ商品でも温度や飲み方によって様々な表情を見せてくれます。
飲み切れずに捨ててしまう前に、好みの楽しみ方を見つけられるといいですね。