2024年11月3日(日)東京・池袋のクラフトジンバー Copainにてジェーニャ・マラホワさんと佐藤創(さとう・つくる) さんによるクラフトジン×チーズのイベント「ちゐず解析(懐石)~クラフトジン編~」が開催されました!
Copainのバーテンダー・ジェーニャさんが作るジンカクテルに合わせ、佐藤さんが厳選したチーズ懐石を楽しめる本イベントには当日18名が参加。
今回は4種類のクラフトジン×チーズのペアリングに加え、チーズに関するセミナーも開催されました。※事前予約制
セミナーでチーズの特徴について”解析”
まずは佐藤さんによるチーズのセミナーが開催!
本イベントでジンとのペアリングに使用されるチーズに加え、代表的なチーズの種類やそれぞれの基本的な特徴について学ぶことができました。
「チーズの盛り合わせを出している飲食店も多いが、合わせるお酒に迷った場合カクテルは”フレンチ75”がおすすめ」
「他の料理と同じく”その地域の料理にはその地域のお酒が合う”ように、チーズの産地とその地域のお酒が合う」との事。
セミナー後にはパルミジャーノレッジャーノの皮から出汁を取ったスープの提供も!
チーズの香りと味わいで胃袋の準備も万全です。
実食!クラフトジン×チーズ”懐石”メニュー
今回のラインナップはこちら!ジェーニャさんが作るカクテルや、使用するジンのボタニカルの特徴に合わせ佐藤さんがチーズを厳選したこだわりの4品を楽しめました。
今回使用されたジン
(左から)TL PEARCE 、FEVER TREE TONICWATER
CLASSIC DRY GIN、NOZAWA GIN
季の梅 京都プラムアンドベリーリキュール、季の美京都ドライジン
Cotswolds Dry Gin
ジンカクテルとチーズ懐石
(カクテル左から)ジントニック、マティーニ、ネグローニ、ジンソーダ
(チーズ左から)ウォッシュチーズ、白カビチーズ、ブルーチーズ、シェーブルチーズ
1品目.ジントニック(TL PEARCE) × ウォッシュチーズ、マスカット、アブサン
まず1品目はTL PEARCEを使用したジントニックとウォッシュチーズのペアリング。
強烈な香りのするウォッシュチーズのまろやかな味わいにマスカットが添えられ爽やかさがプラスされています。
TL PEARCEのドライな味わいによく合い口の中がさっぱりとします!
佐藤さんこだわりのペアリングポイント!
ジントニックに使われているTL PEARCEがドライな味わいなジンなので、チーズにマスカットを添える事によって口の中でまるでシャンパンのような味わいになります。
今回用意したウォッシュチーズはシャンパンと同じ場所で作られており、口の中がシャンパンのような味わいになっている所にチーズのコクが合わさることによってまろやかな脂肪分のクリーミーさがアルコールの角だけを取ってくれる。
そうすると果実味が増幅し、さわやかな香りでさらっと飲めてどんどんお腹がすいてくるような1品目として最も相性がいい組み合わせになります。
2品目.ドライマティーニ(NOZAWA GIN、 NOZAWA CLASSIC DRY GIN) × 白カビチーズ、青リンゴ、グレープモラセス、抹茶
続いて2品目、NOZAWA GINを使用したマティーニと白カビチーズのペアリング。
マッシュルームのような味わいでとろっとした食感の白カビチーズに、シャキッとしたリンゴが良くマッチします。
アルコールが強いイメージがあるマティーニも非常に飲みやすく感じました。
佐藤さんこだわりのペアリングポイント!
今回マティーニに使用されているNOZAWA GINはボタニカルであるクロモジの華やかさが特徴的です。本来そこに香りが強い物を合わせるのはNGですが、マティーニは度数が強いカクテルなので今回はあえてマッシュルームのような味がするチーズを用意しました。
マッシュルームはハーブなどとグラタンにしても美味しい、そのためハーブの香りがするジンとも相性が良いです。チーズ単体だとジンやベルモットが持っているグリーンノート(ハーブ香)を邪魔してしまうため、グリーンノートを保つために抹茶パウダーを使っています。
また、白カビチーズに本来一番合うのは赤いリンゴです。今回あえて青リンゴを使うことでマティーニのグリーンノートを邪魔せずリンゴのみずみずしさと香りをそのままにし、爽やかさが加わることでマティーニの強いアルコール感だけを和らげています。
3品目.ネグローニ(季の梅 京都プラムアンドベリーリキュール + 季の美 京都ドライジン) × ブルーチーズ、ハチミツ、ドライクランベリー
次に3品目、季の美を使用したネグローニとブルーチーズのペアリング。
普段イメージするブルーチーズよりも華やかなハーブの香りがする印象です、はちみつとベリーが加わり塩味が抑えられています。
ネグローニには季の梅が使用されておりベリーの甘味が加わり非常に飲みやすいです!
佐藤さんこだわりのペアリングポイント!
イタリアのアペリティーボ(ディナーやランチの前に軽食と共にお酒を飲む習慣)ではチーズがマストで出てくることが多いです。イタリアは北と南で食文化が違いますが、どのチーズや生ハムと合わせてもネグローニは相性が良い。
ネグローニに使用された季の美は柚子や生姜など和のボタニカルが多く使われている、そこに単にブルーチーズを合わせると雑然としてしまうため今回は「ロックフォール」というハーブの香りとコクが強いチーズをペアリングしています。
また、チーズにクランベリーを添えることで季の梅が持つ本来の香りを引き立たせています。塩味を抑えるためハチミツをかけ甘さを加えることによって、どっしりとしたアルコール感は残しつつアルコールの辛さだけを取り除き本来のジンの香りを立たせチーズのミルキーさを際立たせています。
4品目.ジンソーダ(COTSWOLDS DRY GIN) × シェーブルチーズ、トリュフ、柚子ジャム、ディル
最後に4品目、ジンソーダとシェーブルチーズのペアリング。
チーズの牧草のような風味と添えられたディルに柚子の甘味がよく合います。
コッツウォルズを使用したシンプルで華やかなジンソーダにより、爽快感を味わうことができました!
佐藤さんこだわりのペアリングポイント!
ここまでカクテルのアルコールのボリュームが上がってきている、最後にジンソーダでクールダウンの部分に来ています。
コッツウォルズのジンソーダということでラベンダーの華やかさを邪魔しないためにチーズにディルを添えました。そのリーフィーな香りからソーヴィニヨン・ブランというブドウ品種に合う物を…と想像をしシェーブルチーズをチョイスしています。
これだけだとペアリングとして甘味が足りないため柚子ジャム、柚子はビターでスイートなためジンやディルのビターな部分ともよく合う。シンプルなジンソーダでも相乗効果が出るようなペアリングにしています。
まとめ
チーズの特徴を学べるセミナーから4種類のペアリングまで盛りだくさんなイベントとなりました!
私は普段チーズを食べる習慣はあまり無く「チーズに合うのはワインかな」という漠然としたイメージを持っていましたが、今回お話を伺ったことでジンとチーズをペアリングする際に意識する事などを学ぶことができ今後は家飲みの幅も広がりそうです。
皆さんもぜひまだ見ぬクラフトジン × チーズのペアリングを探してみてくださいね!