ジンの香りが最も際立つのはストレートでの飲み方がいいといわれています。
ただし、アルコール度数の高いジンをストレートで飲むのは苦手だという人も多いのではないでしょうか。
そんな時はロックでの飲み方もおすすめ。
氷を入れることで、キリっと味が引き締まり飲みやすくなるのがロックの大きな魅力です。
ジンの歴史ある本場イギリスでは多くのクラフトジンが造られています。
本場イギリスで造られたクラフトジンの香りを、ロックでダイレクトに楽しんでみてはいかがでしょうか。
イギリスのクラフトジンの歴史
ジンの原型はオランダで生まれた「ジュネヴァ」という強壮薬だったといわれています。
元々は薬として販売されていたジュネヴァですが、次第に嗜好品として扱われるようになりイギリスに輸入されたという説があります。
ジンが輸入された当初は、製造者が自由にジンの蒸留をすることができたので、酒好きのイギリス人の間で、安く飲める国内産のお酒としてジンの人気に火が付きました。
そこからイギリス国内のジン人気はさらに広がり、18世紀前半は「狂気のジン時代」と呼ばれるほどだったといいます。
治安の悪化や健康被害が増加し、それを見かねたイギリス政府はジンの品質向上や価格操作などの8つの法律策定に乗り出し、これを機にジンの爆発的な流行は一度落ち着きをみせることとなります。
その後、蒸留技術の発達に伴い「ロンドンドライジン」が誕生しました。
現在では蒸留所の数も増え、ロンドンドライジンに加え、オールドトムジン、プリマスジン、コンバウンドジンの4つのタイプのジンが造られています。
ロックでおいしく楽しむポイント
氷の入ったグラスに注ぐだけの簡単な飲み方ですが、ポイントを抑えることでさらにおいしく楽しむことができます。
大きめの氷を使う
飲んでいくうちに少しずつ氷が溶けていくロックでの飲み方は、ゆっくりと溶ける大きめの氷を使うのがポイントです。
小さな氷だとあっという間に溶けてしまいます。
上質な氷を使う
上質な氷を使うことで、ボタニカル本来のフレーバーと香りが際立ち口当たりがなめらかになります。
純度の高いロックアイスなどを使用すると、さらに風味を引き出すことができるのでおすすめ。
じっくりと時間をかけて飲む
ロックでの楽しみ方は、たっぷりと時間をかけるのがおすすめ。
氷が溶けるにしたがって変化する香りや風味をじっくりと感じることができます。
冷えたジンを使う
しっかりと冷えたジンを使うことで、キリっと冷えた飲み口をはじめから楽しむことができます。
アルコール度数の高いジンは、凍らないので冷凍庫での保管もおすすめです。
選び方のポイント
割りものを使わないロックでの飲み方は、ボタニカルの風味をダイレクトに感じることができます。
使われているボタニカルに注目して、気になるジンを試してみるといいでしょう。
ジンによって香りや味の違いを感じられるので、数種類のジンを飲み比べて楽しむのもおすすめです。
ロックにおすすめのクラフトジン7選
Bathtub Gin(バスタブ・ジン)
バスタブジンは、グレーンスピリッツにボタニカルを浸漬して造られる少数生産の珍しいジンです。
使用ボタニカルは、ジュニパーベリー、オレンジ、レモン、カルダモン、コリアンダー、クローブ、シナモン。
口に含むとジュニパーベリーの香りをメインにカルダモン、オレンジ、そしてシナモンの心地よい香りが広がります。
ロックで飲むことで、豊かな味わいが活きてきます。
ボトルパッケージには、クラフト紙と撚り紐、封蝋を使い、1本1本ハンドメイドで仕上げられています。
商品名 | Bathtub Gin(バスタブ・ジン) |
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蒸留所名/メーカー | Atom Brands(アトムブランズ) |
生産国 | イギリス |
ベーススピリッツ | グレインスピリッツ |
使用ボタニカル | ジュニパー、コリアンダー、オレンジピール、シナモン、クローブ、カルダモン |
度数 | 43.3% |
容量 | 700ml |
Hayman’s Old Tom Gin(ヘイマンズ オールドトム ジン)
ロックで飲むのに初心者にもおすすめなのが「オールドトムジン」というタイプ。
オールドトムジンは、ジンの抽出液を希釈する時にサトウキビ由来のスピリッツを1~2%入れることで、独特の甘みやまろやかさが生み出されます。
ドライジンとは異なる濃厚で甘みのあるまろやかな味わいは、ロックで楽しむのにぴったりです。
ドライジンが主流となり、ほとんど造られなくなった1920年代のイギリスで、世界中のバーテンダーの復活リクエストを受けて1800年代のレシピそのままに復刻された1本です。
商品名 | Hayman’s Old Tom Gin(ヘイマンズ オールドトム ジン) |
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蒸留所名/メーカー | Hayman Distillers(ヘイマンズ蒸留所) |
生産国 | イングランド |
ベーススピリッツ | グレーンスピリッツ |
使用ボタニカル | ジュニパー、コリアンダー、レモンピール、オレンジピール、アンジェリカルート、オリスルート、ナツメグ、シナモン、カッシア、リコリス |
度数 | 41.4% |
容量 | 750ml |
Red Door Gin(レッド・ドア・ジン)
ゴードン&マクファイル社が手がける注目のクラフトジン。
ベンロマック蒸留所の象徴的な赤いドアから命名された1本です。
ハンドメイドの銅製スチルを使用し、ベーススピリッツを温めた蒸気にボタニカルの香味を移す方法で蒸留されています。
全ての工程を職人が手作業で行い、120年以上の歴史で培った技術が惜しみなく注がれています。
はっきりとしたシトラスの風味と特徴的なジュニパーの香り高いボタニカルを感じる味わいです。
商品名 | Red Door Gin(レッド・ドア・ジン) |
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蒸留所名/メーカー | Benromach Distillery(ベンロマック蒸留所) |
生産国 | スコットランド |
ベーススピリッツ | グレーンスピリッツ |
使用ボタニカル | ジュニパー、コリアンダー、アンジェリカルート、レモンピール、ビターオレンジピール、シーバックソーン、ヒース、ローワンベリー |
度数 | 45% |
容量 | 700ml |
Bulldog London Dry Gin(ブルドッグ ロンドン・ドライ・ジン)
現代的で大胆な黒いボトルが特徴のブルドックロンドンドライジン。
世界8か国から厳選した12種類のボタニカルを使用しています。
リュウガン、ハスの葉、ホワイトボビーをはじめ、甘草、アーモンド、オリス、カッシア(桂皮)、ジュニパー(杜松)、アンゼリカ、コリアンダー、レモン、ラベンダーなど、独特なボタニカルを使用していながらも、癖がなく飲みやすいのが特徴です。
ベーススピリッツには100%イギリス産の穀物原料を使用。
伝統的な手法を取り入れながら造られています。
しっかりと冷えたロックで飲むと、ロンドンドライジンのベーシックな味わいを楽しむことができます。

商品名 | BULLDOG LONDON DRY GIN(ブルドッグロンドンドライジン) |
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蒸留所名/メーカー | BULLDOG Gin(ブルドッグジン) |
生産国 | イギリス |
ベーススピリッツ | グレインスピリッツ |
使用ボタニカル | ジュニパー、ラベンダー、ドラゴンアイ、ロータスリーフ、シナモン、コリアンダーなど12種類 |
度数 | 40% |
容量 | 700ml |
こころ
8種類のボタニカルに日本産の青山椒を加えて造られたロンドンドライジンです。
醸造者のジェームス・ニコル氏が長野県で出会った青山椒の特徴ある味わいに魅了され、自ら選定した青山椒を使用し、ロンドンで蒸留されています。
ロックで飲むとダイレクトに香りを感じることができるのでおすすめ。
山椒のピリッとした刺激と、柑橘系の香りが加わった1本です。
日本のボタニカルを使用しイギリスで造られた珍しい1本です。
商品名 | Kokoro Gin(こころ ジン) |
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生産国 | イングランド |
ベーススピリッツ | グレーンスピリッツ |
使用ボタニカル | ジュニパー、コリアンダー、アンジェリカルート、スイートオレンジ、レモン、アーモンド、リコリス、サボリー、山椒ベリー |
度数 | 42% |
容量 | 700ml |
Plymouth Gin(プリマス・ジン)
ジンに苦手意識のある人にも試してもらいたいジンが「プリマス・ジン」
ロンドンドライジンよりまろやかな味わいで、他のジンとはひと味違った味わいを感じることができます。
ジュニパーベリーの豊かな香りとコリアンダーとカルダモンの香りが漂い、クリーミーな味わいの中にほのかな甘みを感じます。
カクテルの主役として人気の高いプリマスジンですが、ロックで楽しむことでハーブの香りが際立ちます。

商品名 | Plymouth Gin(プリマス・ジン) |
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蒸留所名/メーカー | Plymouth Gin Distillery(プリマス・ジン蒸留所) |
生産国 | イングランド |
ベーススピリッツ | グレーンスピリッツ |
使用ボタニカル | ジュニパー、コリアンダー、オレンジピール、レモンピール、カルダモン、アンジェリカルート、オリスルート |
度数 | 41.2% |
容量 | 700ml |
Forest Gin(フォレスト・ジン)
チェシャー州にある家族経営の小さな蒸留所で造られているクラフトジン。
可能な限り地元の素材を使用し、手作業でボトリング、ラベルも1本1本丁寧に手張りされています。
一度のバッチで造れるジンはたったの85本とかなり貴重なジンです。
有機認定されたグレーンスピリッツをベースに、オーガニックのジュニパーベリーやコリアンダーなど伝統的なボタニカル6種と地元のビルベリー、ラズベリー、シダなどの野生のボタニカルを加えて蒸留。
森の草木の香りに、リコリスやシナモンのようなスパイシーさとベリー系のフルーティーさを感じる贅沢な1本です。
商品名 | Forest Gin(フォレスト・ジン) |
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蒸留所名/メーカー | The Forest Distillery(フォレスト蒸留所) |
生産国 | イングランド |
ベーススピリッツ | グレーンスピリッツ |
使用ボタニカル | ダグラスファー、モミの葉、ブルーベリーなど地元産の野生ボタニカル(詳細非公開) |
度数 | 42% |
容量 | 700ml |
じっくりと時間をかけてロックで飲むジンがおすすめ
今回は、カクテルベースとしてイメージの強いジンを、ロックで楽しむ魅力をお伝えしました。
ロックは、ジンの持つ様々な表情を楽しめる飲み方です。
少量のジンをじっくりと時間をかけて飲む飲み方は、意外にもお酒の弱い人にもおすすめ。
リラックスタイムにぴったりのクラフトジンの楽しみ方をぜひ体験してみてください。