旅の二日目は、野沢温泉の「野沢温泉蒸溜所」へ。
代表のフィルさんに案内していただき、蒸留設備や樽熟成の現場、ショップを見学しました。
その後は定番ジン4種をテイスティング。森の香りや桜、しそなど土地の個性を映した味わいに感動。
仕込みに欠かせない“水源”も訪れ、ジンづくりの核に触れた一日をレポートします。
野沢温泉蒸溜所を見学
入口からふわりと立ちのぼる香りに胸が高鳴ります。
樽が整然と並ぶ熟成庫では、ジンとウイスキーが静かに時間を重ねていました。
同所は2022年12月にオープン。まだ若い蒸溜所ながら、挑戦の手を緩めない姿勢が印象的です。
代表フィルさんが案内
巨大なポットスチルが二基。
ウイスキー製造も視野に入れた設備構成で、蒸気ジャケット付きの堂々たる佇まいでした。
ツアーは火水以外で公開されており、見学とテイスティングが可能とのことです。
樽熟成ジンへの挑戦と受賞歴
同所ではバレルエイジド・ジンも醸造。
昨年のバッチは約4か月熟成で、ワイン樽の後にメープルシロップ樽を使うなど遊び心のあるアプローチ。
サンフランシスコのコンペティションでも高評価を獲得したと語られており、世界からの注目度も高まっています。
テイスティング:定番4種を飲み比べ
蒸溜所のショップ併設テイスティングで、定番4種を体験しました。
それぞれが明確なテーマを持ち、野沢の土地感を心地よく表現しています。
野沢ジン(温泉の森をイメージ)
温泉の森を歩く香りをテーマに設計。
黒文字とレモンピールの清々しさが柔らかなベースに溶け込みます。
瑞々しく澄んだアロマで、まず一杯目に選びたい万能タイプ。
クラシック(ロンドンドライを和解釈)
ロンドンドライをベースに、日本の山椒をプラス。
ジュニパーの存在感にスパイスの芯が通り、食中酒としての懐も広い印象。
マティーニなどクラシックカクテルにも相性良好。
祝ジン(季節感と華やぎ)
春の情景を想起させるフレーバー構成。
桜のニュアンスがやさしく広がり、甘やかさと清らかさのバランスが見事。
和菓子の余韻を思わせる心地よ