夏にジンが美味しくなる理由とは?おすすめのジンとカクテルも紹介

この記事の著者

黒田 侑

グルメやお酒、旅と自転車を愛するライター。おいしいものを知り、伝えることは何よりの楽しみです。現地に足を運んだり、直接お話を伺ったりする取材記事も得意としています。

夏には、スッキリ飲める爽やかなお酒が欲しくなりますよね。キンキンに冷やしたビールも人気がありますが、ジュニパーベリーを使用したスピリッツのひとつ、ジンも蒸し暑い夏にぴったりです。

夏におすすめのジンを知って、少しでも暑い季節を陽気に過ごしましょう。

お気に入りのジンが見つかれば、きっと暑ささえも恋しくなるはずです。

暑くなるとジンが飲みたくなる!その理由は?

暑くなるとジンが飲みたくなるのは、ジンの特徴が夏にぴったりだからです。
さっぱりと飲める味や香りが特徴的なスピリッツですから、そのまま飲んでもカクテルにしても、涼やかな気分を与えてくれます。

爽やかな香りとスッキリした後味

ジンの主材料であるジュニパーベリーは杜松果(としょうか)と呼ばれる針葉樹の球花で、果実ではなく松かさの一種です。

ヒノキ科に属され森や木そのものを感じさせるような爽やかなウッディの香りが、清涼感を与えています。

そして、スッキリした後味は蒸し暑い日本の夏にぴったり
コクがなく、ドライな味わいが、ある意味でジンらしさだといえます。

もちろん、どんな副材料を使用するかによって味や甘みは変わってきますが、キリッとした後味のものが多いお酒です。

炭酸で割ってゴクゴクいける

ジンは無糖の炭酸水で割る飲み方がよく合います。
この飲み方はジン・ソーダと呼ばれ、非常にポピュラーな飲み方の一つです。

アルコール度数も抑えられジン本来の味を感じつつ、ストレートやロックよりも飲みやすくなり、炭酸の刺激とスッキリ爽快なのど越しが、蒸し暑さも吹き飛ばしてくれます。

夏らしいメニューに合う

夏といえば、辛いものが欲しくなるという人も多いでしょう。スパイスを副材料として使用することも多いジンは、辛さを感じられるメニューとの相性もいいのです。

ガーリックシュリンプやスペアリブ、タコスとサルサソースの組み合わせなど、汗をかきながら頬張るようなメニューは、口の中をさっぱりさせてくれるジンにぴったり。

しっかり味のついた辛めのおつまみに、口の中を冷やしてくれるジン。鼻から抜けるウッディーな香りも、料理の邪魔をせず、気持ちよく楽しむことができます。

暑い夏におすすめのクラフトジン5選

日本特有の湿度が高く蒸し暑い夏を吹き飛ばすのにもってこいのジンを5種類紹介します。
風味が特徴的なもの、産地にこだわったものなどどれも個性的。

ボタニカルに合わせておつまみを工夫するのも楽しいですよ。

おすすめ①COTSWOLDS DRY GIN

ジュニパーベリーと柑橘類、スパイスがキリッと香る、クラシカルなジンです。
決してドライなだけでなく、バランスのとれた風味が夏によく合います。

主材料であるジュニパーをに加え、コリアンダー、アンジェリカルート、コッツウォルズラベンダー、ベイリーフ、グレープフルーツ、ライムの皮、ブラックペッパー、カルダモンなど8つの選び抜かれた副材料が、香り豊かなジンを生み出しています。

ジュニパーベリーを含む9つのボタニカルは通常のプレミアムロンドンドライジンの約10倍の量を使用し蒸留しているだけでなく、製法にもこだわっています。

ほとんどのジンではマルチショット蒸留と呼ばれる倍量のボタニカルで濃縮原酒を作り、ニュートラルスピリッツでボタニカルを薄めるといった製法が多いのですが、コッツウォルズ・ドライジンは一度の蒸留でジンを完成させるワンショット蒸留で作られる質の高いジンとなっています。

芳醇な香りとしっかりした味わいが評価され、ワールドジンアワード2016では「ワールドベストロンドンドライジン」を受賞しています。

ジン・トニックで味わうのが特におすすめ。

おすすめ➁HAPUSA

インド原産にこだわり、国内で育てられたボタニカルをいかしたジンです。名前となっている「ハプサ」とはサンスクリット語でジュニパーベリーのことを指しています。

ヒマラヤ山脈4000m級の高地で採れたジュニパーベリーに加え、インド国内で採れたゴンドラージ、コリアンダーシード、ターメリック、カルダモン、マンゴー、アーモンド、ジンジャーなど8種類のボタニカルで作られています。カレーなどでも馴染み深いスパイスが目白押しですね。

香り豊かでスパイシーさが特徴のジンです。辛いおつまみとの相性は抜群でしょう。

おすすめ➂ROCKROSE SUMMER EDITION

蒸溜所のあるスコットランド北部・ケイスネスの夏をイメージして作られたジンです。
サマーエディションの名の通り、柑橘系の香りが特徴のなめらかな味わいです。

このジンは”ダンネットベイ蒸留所の庭で育つボタニカルを使用して、皮を使わずに柑橘系のジンを作る”という試みから生まれました。

印象的な香りのもととなっているのはレモン系のハーブ(レモンバーム、パイナップルセージ、シトラスタイム)で風味づけをしているから。
その他にもクローバーやメドウスイート、エルダーフラワーなどのボタニカルも使われています。

ケイスネスの夏のような、爽やかな涼しさが楽しめる飲み口です。蒸し暑い日にぜひ。

おすすめ④BAIGUR

サイゴンバイガードライジンはホーチミン市で初めて蒸留されたドライジンで、旧サイゴン(現ベトナム ホーチミン)の居住処、バイガーにちなんだジンです。

バイガーには鮮魚店やスパイス店が無数に存在し、市民の台所となっていました。

サトウキビ由来のスピリッツで蒸留されており、ボタニカルは全16種類も使われていますが、仏手柑やドラゴンフルーツ、サイゴンシナモンなどベトナムを象徴するボタニカルの数は13種類も使用されています。

まるで飲み手をベトナム旅行一周に誘うかのようなジンであり、スパイス豊かな「ブンボーフエ」など、ベトナムの麺料理とのマリアージュも魅力的ですよ。

おすすめ⑤DRUMSHANBO GUNPOWDER IRISH GIN(ドラムシャンボ・ガンパウダージン)

アイルランドで作られていますが、中国の平水珠茶(へいすいすちゃ)を使用した珍しいジンです。

平水珠茶は茶葉をゆっくりと乾燥させ、葉を丁寧に丸めて光沢のある粒状にしたもので火薬に似ているその見た目から、ガンパウダー・ティーと呼ばれています。

カルダモン、シモツケソウ、コリアンダー、アンジェリカ、スターアニスなど12種類のボタニカルを使用し、エキゾチックなお茶の香りとスパイスの余韻が楽しめます。

ボトルは、アイルランドに伝わる伝説の生き物「ジャッカロープ(ツノウサギ)」が描かれたラベルが特徴的。
雷とともに姿を現すジャッカロープのように、飲み手に衝撃を与えてくれるジンです。

暑い夏におすすめのカクテルを紹介

ジンは、カクテルでもさまざまな飲み方があります。暑い夏にぴったりの、ゴクゴク楽しめる冷たいカクテルを作り方と一緒に紹介します。

簡単にできるものも多いので、ぜひご自宅でも試してみてください。

おすすめ①ジン・ハイボール

ジンを無糖の炭酸水で割った、シンプルかつスッキリとしたカクテルです。ジンそのものの味と香りがよくわかり、おつまみにも合わせやすいでしょう。

①グラスによく冷やしたジンを入れます。
➁同じく冷やしたソーダを注ぎ、完成。

おすすめ➁ジン・トニック

ジンに甘みと柑橘感のあるトニックウォーターを加えたカクテルです。人気があり、ほのかな甘みのあるトニックウォーターがジンの魅力を引き立てます。

①グラスに氷とジンを入れます。
➁トニックウォーターを注ぎ、ライムまたはレモンを飾って完成。

おすすめ③ジン・ソニック

ジン+ソーダ+トニックで作るカクテルです。トニックウォーターの比率を抑えることで甘さ控えめですっきりと味わうことが出来ます。

①グラスに氷とジンを入れます。
②無糖のソーダとトニックウォーターを注ぎ、ライムまたはレモンを飾って完成。

おすすめ➂ドッグス・ノーズ

ビールにジンを加えた、アルコール度数の少々高めなカクテルです。見た目は普通のビールですが、ジンのスッキリした風味がビールとマッチします。

①グラスによく冷やしたジンを入れます。
➁同じく冷やしたビールを注ぎ、完成。

おすすめ④グリーン・ハット

ジンにグリーン・ミント・リキュールとソーダを加えたカクテルです。ミントの清涼感が加わり、炭酸の刺激で爽快さも味わえるカクテルです。

①グラスに氷とジン、グリーン・ミント・リキュールを入れます。
➁泡立てないようにソーダをそっと注ぎ入れて、完成。

暑いからこそ飲みすぎに注意

暑いと喉が渇くため、お酒をおいしく飲めるのも事実です。ですが、身体が水分を欲している状態でゴクゴクお酒を飲んでしまうのは、身体にはあまりよくありません。

お酒は水分補給にはならず、飲めば飲むほど利尿作用やアルコール分解時の作用で身体の水分が奪われてしまうからです。

早々に酔ってしまう原因にもなりますし、翌日二日酔いにもなりやすくなってしまいます。ぜひ、水分補給をしっかりとした上でジンを楽しみましょう。アルコール度数の高いカクテルを飲む際には、チェイサーも忘れないでくださいね。