個性的なクラフトジンが次々と登場する中で、注目されているのが「焼酎ジン」です。
焼酎ならではの独特な風味を感じることのできる日本的なクラフトジンは、料理との相性も抜群。
今回は焼酎の蔵元が造るクラフトジンや、地元の焼酎を活用して造られたクラフトジンを厳選して紹介していきます。
焼酎ジンとは
ジンは、ベースとなるアルコールにジュニパーベリーをはじめとしたボタニカルを加えて香り付けされた蒸留酒です。
一般的なジンのベースには穀物を使ったアルコールを使用しますが、近年注目されているのはベースに焼酎を使用した「焼酎ジン」。
焼酎の蔵元が手がけるクラフトジンは、焼酎の蒸留技術を活かして造られています。
焼酎ベースのジンは、焼酎由来の風味を感じられる仕上がりとなっており、クラフトジンにすることで若い世代に焼酎に興味を持ってもらうきっかけにもつながっています。
ジンと焼酎の違い
ジンと焼酎は共に蒸留酒ですが、いくつかの違いがあります。
原料の違い
ジンも焼酎も、原料の自由度が高い蒸留酒です。
大きな違いは、ジンには必ず「ジュニパーベリー」を使用していること。
穀物を原料とすることの多いジンに対し、焼酎ではサトウキビや麦など多岐にわたる原料が使用されています。
さらにジンはハーブやフルーツ、スパイスなどが香りづけに用いられています。
アルコール度数の違い
40~50度のアルコール度数の製品が多いジンに対し、焼酎は甲類は20度、乙類は25度の製品が多く販売されています。
焼酎は熟成後に加水されて濃度が下げられており、ほかの蒸留酒よりも度数が低いとされています。
味わいの違い
ジンは精製後に熟成させないのでクリアな味わいが基本です。
ジュニパーベリーなどのボタニカルで風味付けされているので、柑橘系に近い爽やかな風味を感じることが多いのが特徴。
焼酎の乙類は貯蔵して熟成させることが多いので、まろやかな味わいが特徴。
甲類は、ジンと同様クリアな味わいを感じるという共通点があります。
飲み方の違い
ジンは切れ味のある飲み口から炭酸水やトニックウォーターとの相性がよく、カクテルベースとしても多く使われています。
ジュースやジンジャエールで割るなど、甘さを加える飲み方でも楽しまれています。
それに対し、焼酎はロックや水割り、お湯割りが王道の飲み方とされています。
焼酎そのものの味を楽しむシンプルな飲み方で楽しむ機会が多いでしょう。
おすすめの焼酎ジン7選
OMOYA GIN
伝統的な手法を大切にしながらも新しい手法を取り入れて麦焼酎を造り、壱岐での酒造りを復活させたともいわれる「重家酒造」
重家酒造が若い人にも麦焼酎を知ってもらいたいと、新たな取り組みとして生まれたのが「OMOYA GIN」です。
自慢の麦焼酎のベーススピリッツに、ジュニパーベリーと壱岐産の柚子を漬け込み蒸留したシンプルなクラフトジン。
あえてシンプルにこだわったボタニカルの柚子の香りや麦焼酎の味わいを感じるために、ソーダ割りがおすすめです。
ボトルキャップに木材を使用し、香水を思わせるようなデザインのボトルは、高級感あふれる仕上がりとなっています。

商品名 | OMOYA GIN(オモヤジン) |
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蒸留所名/メーカー | 重家酒造(おもやしゅぞう) |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 麦焼酎 |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、壱岐産ゆず |
度数 | 46% |
容量 | 500ml /200ml |
jin jin GIN
球麿焼酎「あさぎりの花」をベーススピリッツに使用した、熊本初のクラフトジンです。
ボタニカルには、ジュニパーベリーをはじめ熊本産の柑橘類(晩白柚、不知火柑、甘夏、晩柑、はるか、ゆず)の皮や、天草で育ったローズゼラニウムなど熊本の素材をふんだんに使用しています。
蒸留の最初と最後を切り取る工程を取り入れることで、クリアで華やかな飲み心地が特徴。
ロックや炭酸などで割るとうっすらと白く濁り、色の変化も楽しむことができます。
ジントニックにも最適で、甘さを控えめにしたい人にはソーダとトニック同量で割るソニックの飲み方もおすすめです。
熊本県の郷土料理である辛子蓮根との相性も抜群。
熊本県の魅力がぎっしりと詰まった1本に仕上がっています。

商品名 | jin jin GIN(ジンジンジン) |
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蒸留所名/メーカー | 高田酒造場(たかたしゅぞうじょう) |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 米焼酎(球磨焼酎「あさぎりの花」) |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、晩白柚、不知火、甘夏、柚子(すべて熊本県産)、ローズゼラニウム(天草産) |
度数 | 47% |
容量 | 700ml |
OSUZU GIN
「百年の孤独」「㐂六」「中々」などの有名焼酎を造る宮崎県の黒木本店が新たに開いた蒸留所「尾鈴山蒸留所」によるクラフトジンです。
蒸留所で造られる芋焼酎「山ねこ」と同じ原酒をベーススピリッツに使用し、地元宮崎の柑橘類である金柑や日向夏、柚子などをボタニカルに加えて造られています。
柑橘類の華やかな香りと特徴的な苦味、その奥に芋焼酎のとろみと甘みを感じることができます。
キャップまでこだわった透明感のあるボトルはデザイン性も高く、ギフトとしてもおすすめです。
名焼酎を生み出す蔵元ならではの1本となっています。

商品名 | OSUZU GIN(オスズジン) |
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蒸留所名/メーカー | 尾鈴山蒸留所(おすずやまじょうりゅうしょ) |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 芋焼酎「山ねこ」 |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、金柑、日向夏、ゆず、山椒、生姜、榊、椎茸など(宮崎県産を中心に使用) |
度数 | 45% |
容量 | 700ml / 200ml |
JIN7 limited
JIN7シリーズを製造する大山甚七商店は、日本のハワイとも呼ばれる指宿の地で、厳選した地元産の原料を使用したこだわりの芋焼酎を造る蔵元です。
2021年に新たに導入した銅製のポットスチルで初めて蒸留したのが「JIN7 limited」
ボタニカルには、パッションフルーツ、スターフルーツ、ドラゴンフルーツの花、すもも、ブルーベリー、タヒチライム、西瓜、胡瓜、トマト、ししとう、生姜、大葉と、全て鹿児島県産の物を使用。
香りをより抽出するために、果実と皮を分けて蒸留しています。
トロピカルの明るい香りだけでなく、スパイシーさやミントの爽やかさも感じることのできるクラフトジン。
フルーツを合わせたカクテルや、トニックウォーターとも相性抜群で、幅広い楽しみ方のできるジンとなっています。

商品名 | JIN7 limited(ジンセブン リミテッド) |
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蒸留所名/メーカー | 大山甚七商店(おおやまじんしちしょうてん) |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 芋焼酎 |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、パッションフルーツ(400個以上使用)、スターフルーツ、ドラゴンフルーツの花、すもも、ブルーベリー、タヒチライム、西瓜、胡瓜、トマト、ししとう、生姜、大葉(すべて鹿児島県産) |
度数 | 47% |
容量 | 700ml |
LAST ELEGANT
日本酒を絞った最後に生まれる酒粕を蒸留し、その芳醇な香りを引き出した酒粕焼酎をベースに造られたエシカルジン。
酒粕の持つ甘く華やかな味わいに注目し、ラベンダーやハイビスカスティーなどの10種類のボタニカルと合わせて蒸留しています。
商品名のエレガントの名にふさわしく、香水のような華やかでスパイシーな味わい。
捨てられるはずだった酒粕から、見過ごされていた価値を引き出し、新たな価値循環を生み出すストーリーが、環境への関心にもつながっていきます。

商品名 | LAST ELEGANT(ラスト エレガント) |
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蒸留所名/メーカー | エシカル・スピリッツ株式会社(東京リバーサイド蒸溜所) |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 酒粕焼酎(鳥取県「千代むすび酒造」の酒粕を使用) |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、ハイビスカスティー(ローゼル)、ピンクペッパー、コリアンダーシード、ラベンダー、カルダモン、生姜、シナモン、カフィアライムリーフ、花椒 |
度数 | 47% |
容量 | 200ml、375ml、700ml |
AKAYANE CRAFT GIN(ジュニパーベリーオンリー)
鹿児島県南薩摩の本格焼酎造りの老舗「佐多宗二商店」が2018年からスタートさせた「AKAYANEクラフトスピリッツシリーズ」の商品です。
さつま芋を原料としたベーススピリッツに、ボタニカルはジュニパーベリーのみを使用。
ジュニパーベリーの風味に細心の注意をはらいながら香りを最大限に引き出すように浸漬し、蒸留されています。
口に含むと、ベーススピリッツの芋焼酎の甘い風味と共に、ジュニパーベリーから感じるボタニカルの植物由来の香りと優しい苦みが心地よい味わいを楽しめます。
おすすめの飲み方は、お湯で割ったホットジン。
卓越した蒸留技術が生み出すジュニパーベリーの味わいをシンプルに感じることができますよ。

商品名 | AKAYANE CRAFT GIN ジュニパーベリーオンリー |
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蒸留所名/メーカー | 佐多宗二商店(さたそうじしょうてん) |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 芋焼酎 |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー |
度数 | 47% |
容量 | 720ml |
424GIN
焼酎の新しい可能性を追求したいという思いで造られたクラフトジン。
タイプの異なる4種類の芋焼酎にジュニパーベリーを24時間浸漬し木樽蒸留器で蒸留しています。
木樽蒸留器で造られるクラフトジンは世界で唯一の商品です。
初留、中留、後留の3つのパートに分けて甕(かめ)で貯蔵した後に混ぜ合わせることで、複雑な香りと奥行きのある味わいが表現されています。
芋焼酎由来の甘い余韻と、ジュニパーベリーの豊かな香りが印象に残る1本です。

商品名 | 424GIN(フォートゥエンティーフォージン) |
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蒸留所名/メーカー | 若潮酒造(わかしおしゅぞう) |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 芋焼酎(4種類をブレンド) |
使用ボタニカル | ジュニパーベリ |
度数 | 42.4% |
容量 | 500ml |
焼酎ジンの魅力を体験してみましょう
個性豊かなクラフトジンの中から、今回は焼酎ジンに注目して紹介しました。
日本人にも親しみ深い焼酎をベースにしたジンは飲みやすく、焼酎ならではの甘みや風味を感じることができます。
ぜひ好みの焼酎ジンと共に、素敵な時間を過ごしてくださいね。