環境問題を考える中で、耳にする機会の多くなった「サステナブル」という言葉。
他にも「エシカル」「SDGs」など、同じ場面で使われることが多く混同してしまうことも。
今回はそれらの言葉の違いをお伝えしながら、環境に配慮されて造られたおすすめのクラフトジンを紹介していきます。
こういった商品を選ぶことで、環境問題を身近に捉えてアクションにつなげていける社会になるといいですね。
「サステナブル」と「エシカル」の違い

「サステナブル」と「エシカル」は、どちらも社会や環境に配慮した考え方です。
エシカルな行動の積み重ねがサステナブルな社会を実現します。
サステナブルとは
サステナブルは「持続可能な」を意味する形容詞です。
地球環境などに負荷をかけずに、将来にわたって自然環境を維持していくことを目指した取り組みなどを指します。
長期的な視点で環境や社会全体の維持を目的に、再生エネルギーの利用や、廃棄物の削減、生態系の保護などを行っています。
サステナブルな社会を実現するために掲げている具体的な目標を「SDGs」と呼んでいます。
エシカルとは
エシカルとは直訳すると「倫理的な」「道徳上の」という意味を持つ形容詞です。
人や社会、環境にとって正しいことを行うという個人の行動規範を指します。
個人で実践できる方法のひとつが「エシカル消費」
地球環境や生産者の労働環境、社会に配慮して造られたものを選び、消費することです。
ひとりひとりがエシカルな意識を持ち、どこで、誰が、どのように作っているのか、生産の背景を考えて、購入するものや使うものを選択していくことは、環境問題や社会問題の解決につながっていきます。
サステナブルなクラフトジンのために

廃棄される素材の活用
他の商品の製造過程で出る廃棄される素材に新たな付加価値を見出し、循環型の経済に貢献します。
規格外の果物や調理の際に生まれる種や皮を活用することで廃棄量を削減します。
再生型エネルギーの活用
再生可能なエネルギーなどを活用して、環境負荷を低減する取り組みが行われています。
二酸化炭素の排出量を抑える製造設備の導入を取り入れている蒸留所もあります。
生産者との交流
地域の農家と連携し、素材を調達することで地域に貢献することができます。
持続可能な方法で栽培されたボタニカルを使用したり、不要になった素材を買い取るなどの行動で好循環が生まれます。
おすすめのクラフトジン7選
YORI GIN < OKAZAKI >
YORIは国産のサステナブルジンブランドです。
地域の素材を活用し、ボタニカルとして「よりあわせる」
プロジェクトは常に生産者が主役です。
YORIを造る工程は、まず地域の現状を知ることからはじまります。
生産者と共に素材を調べ、役目を終えた素材を購入し、ボタニカルとして使用します。
YORI GIN < OKAZAKI >は愛知県の中心部、徳川家康公生誕の地として城下町を中心に発展した岡崎市で、ワインに使われる香り高い葡萄を主軸に造られたクラフトジン。
伝統産業である八丁味噌や蜂蜜を加えることで深みのある味わいが実現しました。
さらにむらさき麦やしめ縄を調合することで、フルーティーでコクのある味わいに仕上がっています。
商品名 | YORI GIN < OKAZAKI > |
---|---|
蒸留所名/メーカー | 沼津蒸留所 |
生産国 | 日本 |
使用ボタニカル | 白巨峰搾りかす、赤巨峰、豆味噌、むらさき麦、しめ縄、はちみつ、エルダーフラワー、ハイビスカス、コリアンダー、カルダモン、100%ぶどうジュース、ジュニパーベリー |
度数 | 42% |
容量 | 500ml / 100ml |
盆栽ジン
LUOはサスティナブルをテーマに生命力溢れる自然素材を使用するクラフトジンブランド。
盆栽ジンは日本の美意識の象徴でもある松をメインボタニカルに、カルダモン、クローブ、シナモン、ジンジャーといったスパイスを加えて造られました。
さらにアールグレイの茶葉を加えることで、松のウッディさとスパイスや紅茶の香りが調和した繊細で優雅な味わいに仕上がっています。
グラスに注いだ瞬間に、森の静寂が立ち上がるような香りが広がります。
売り上げの一部は里山の保全活動をしている特定日営利活動法人「森づくりフォーラム」に寄付されます。
商品名 | 盆栽ジン |
---|---|
蒸留所名/メーカー | LUO |
生産国 | 日本 |
使用ボタニカル | 松、カルダモン、クローブ、シナモン、ジンジャー、アールグレイ |
容量 | 500 |
LAST ELEGANT

エシカル・スピリッツは「エシカルが当たり前になる、その先へ。」をポリシーに、エシカルであることだけが価値ではなく、美味しいもの、最高品質のものが、選ばずともエシカルであるよう、生活の当たり前になることを目指しています。
エシカル・スピリッツのシグネチャージンである「LAST ELEGANT」は、日本酒を絞った最後に生まれる酒粕を蒸留し、芳醇な香りを引き出した酒粕焼酎をベーススピリッツに使用したクラフトジン。
年間約3,200トンが未活用とされる酒粕の、隠れた才能と唯一無二の香りが様々な香りのボタニカルと合わさり、豊かな香りが花開くクラフトジンです。
商品名 | LAST ELEGANT(ラスト エレガント) |
---|---|
蒸留所名/メーカー | エシカル・スピリッツ株式会社(東京リバーサイド蒸溜所) |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 酒粕焼酎(鳥取県「千代むすび酒造」の酒粕を使用) |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、ハイビスカスティー(ローゼル)、ピンクペッパー、コリアンダーシード、ラベンダー、カルダモン、生姜、シナモン、カフィアライムリーフ、花椒 |
度数 | 47% |
容量 | 200ml、375ml、700ml |
NUMBER EIGHT GIN

横浜新港8号埠頭にある海の上のクラフトジンの蒸留所「NUMBER EIGHT DISTILLERY(ナンバー エイト ディスティラリー)」
NUMBER EIGHT GINは自社運営しているレストランで提供している食材で、いつも廃棄してしまっているアボカドの種を含む8つのボタニカルを使用しています。
ベーススピリッツには日本酒蔵の吟醸酒粕焼酎を使用。
口に含むと感じるふくよかな柔らかさを持つ華やかな香りを感じます。
時間の流れと共にパワフルな力強さを感じ、様々な表情を楽しめるのが特徴。
廃棄量を最小限に抑えるサステナブルな取り組みを組み込んでいるクラフトジンです。
商品名 | NUMBER EIGHT GIN(ナンバーエイトジン) |
---|---|
蒸留所名/メーカー | NUMBER EIGHT DISTILLERY |
生産国 | 日本 |
ベーススピリッツ | 吟醸酒粕焼酎 |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、イエルバブエナ、神奈川みかん、レモン、レモンバーベナ、コーヒー豆、生ホップ、アボカドの種 |
度数 | 46% |
容量 | 750ml |
THE HERBALIST YASO GIN

THE HERBALIST YASO GINを製造する越後薬草は、新潟県上越市で野草和漢(ハーブ)を原材料に健康をテーマにした酵素飲料や健康食品を製造しています。
越後薬草では、発酵過程で生まれる年間数十トンものアルコールの副産物を商品開発できないかとの思いがありました。
そんな思いから誕生したのが「THE HERBALIST YASO GIN」
クラフトジンが製造されている越後薬草蒸留所では、一切のロスをなくす取り組みが行われています。
健康食品を製造される過程で生まれたアルコールで、アルコール飲料を製造。
野草ハーブなどの植物原材料を農業用肥料にし、その肥料を使用した畑でハーブなどの原材料を生産します。
畑で育ったハーブなどを酵素飲料やジンの原材料に使用することを繰り返すことで、ロスを出さないサイクルを実現しています。
人々の健康にも地球にも優しい、自然環境に配慮された蒸留所です。
商品名 | THE HERBALIST YASO GIN(ザ ハーバリスト 野草ジン) |
---|---|
蒸留所名/メーカー | 越後薬草(えちごやくそう) |
生産国 | 日本(新潟県) |
ベーススピリッツ | 野草類を原材料としたスピリッツ |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、杉葉、コリアンダーシード、リコリス、春ウコン、フェンネル、オレンジフラワー、ショウガ、カルダモン、クローブ、ピンクペッパーなど |
度数 | 45% |
容量 | 700ml |
棘玉

株式会社マツザキは、緑化、農業、酒、食の4つの事業を循環させながら自然環境の保全に貢献し続ける会社です。
マツザキの運営する武蔵野蒸留所ではジンの魅力にいち早く気付き、ジンの主原料となるジュニパーベリーを植樹しました。
一切妥協のないオール川越産のボタニカルにこだわった、世界と戦えるジンを目指して造られたジン。
国内では極めて稀な国産のオリジナル蒸留機によって製造されています。
通常のジンの3倍ものジュニパーベリーを使用し、一般的な蒸留の5倍以上の時間を費やして造られた「棘玉」は、豊かで華やかな味わいが特徴です。
商品名 | 棘玉(TOGEDAMA) |
---|---|
蒸留所名/メーカー | 武蔵野蒸留所 |
生産国 | 日本 |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、柚ピール、河越茶、山椒、桂皮、ジンジャー |
度数 | 47% |
容量 | 700ml / 200ml |
GOTOGIN the origin
五島市にある五島つばき蒸溜所は、蒸留で使う電力全てを再生可能エネルギーで賄う施設にリニューアルしました。
これにより、年間の二酸化炭素の排出量が5トン削減されます。
蒸留器以外にも電気自動車を導入し、環境に配慮した施設となっています。
五島つばき蒸溜所で造られるGOTOGIN the originはキーボタニカルに島に咲く椿の実を使用しています。
柔らかな口当たりと、優しい香りが特徴のクラフトジンです。
商品名 | GOTOGIN the origin(ゴトウジン ザ・オリジン) |
---|---|
蒸留所名/メーカー | 五島つばき蒸溜所 |
生産国 | 日本 |
使用ボタニカル | ジュニパーベリー、椿の実、つばき茶、椿油搾り粕、ナツメグ、リコリス、アンジェリカ、柚子、カカオニブ、アーモンド、紅茶、シナモン、山椒、レーズン、ラズベリー、カルダモン、コリアンダー |
度数 | 47% |
容量 | 500ml |
これからの未来を考えて選ぶクラフトジン

地球にも人にも優しいサステナブルなクラフトジンは、新しい選択肢として人気が増えています。
再生可能なエネルギーを活用し、地域や自然と調和した商品を選ぶことは、心を豊かにしながら持続可能な未来へとつながっています。
蒸留所の想いや背景に思いを馳せクラフトジンを選ぶことで、より充実した時間を過ごせることでしょう。
ぜひお気に入りの1本を見つけて、これからの未来のことを考えてみてはいかがでしょうか。