多くの商品が販売されているクラフトジン、今ではネットショップや酒屋さんで気軽に購入できるものも増えてきました。
そんなこだわりのクラフトジンを造り出している蒸留所には、それぞれの想いや魅力がたくさん詰まっています。
日本には100を超える蒸留所があり、ジン専門の蒸留所やウイスキーなどを蒸留している蒸留所まで様々です。
蒸留所の数だけ蒸留家がいて、それだけのこだわりやストーリーがあります。
今回は蒸留所に注目してクラフトジンを選ぶきっかけにしてみてください。
蒸留所の魅力を知る

蒸留所ではジンの製造だけでなく、様々な取り組みを行っています。
蒸留所ツアーの開催
蒸留所の見学ツアーは、実際の蒸留家の話を聞くことができる貴重な機会です。
クラフトジンを製造する工程を見学することで、より身近に感じることができます。
試飲ができるツアーもあり、蒸留のストーリーを知った後で飲むジンはまた格別です。
ワークショップの開催
ツアーだけでなく、実際に体験できるワークショップを開催している蒸留所もあります。
世界でたったひとつのクラフトジンを造ることができるワークショップは、ジンへの想いが深まり素晴らしい記念になりますね。
蒸留所限定商品の販売
蒸留所でしか購入できないクラフトジンを購入できるのも蒸留所の魅力です。
市場に出回らない希少なクラフトジンや、季節の限定商品などに出会えることも。
バーを併設していて、その場で楽しめる蒸留所もあります。
魅力ある日本の蒸留所7選
京都蒸溜所
日本初のジン専門の蒸留所として2014年に設立された「京都蒸溜所」
長く受け継がれてきた独特な文化と近代的な社会が融合する魅力的な場所で、京都が誇る伏見の伏流水をはじめ、契約農家の育てる果実やスパイス、お茶などのスパイスをボタニカルを使用したクラフトジン「季の美」を販売しています。

季の美は、イギリスと京都の伝統を融合させたプレミアムなクラフトジン。
通常ジンは全てのボタニカルをまとめて蒸留しますが、季の美の製法はボタニカルの特性に応じて6つのグループに分けて別々に蒸留した後にブレンドします。
それぞれの素材を最大限に生かしながら、匠の技で絶妙な調和を取る京都蒸溜所の特徴的な製法です。
季の美をベースにしたオールドトムジンや、リキュールなど幅広い商品を展開しています。
京都蒸留所では、季の美を構成する6つの原酒(エレメンツ)のテイスティングと専門のスタッフによる製造工程やボタニカルのレクチャーが体験できるセミナーを不定期で開催しています。
越後薬草蒸留所
越後薬草では一貫して健康をテーマに、自然界の野草と発酵の力を組み合わせた商品の研究開発を行ってきました。
越後薬草蒸留所の商品である「THE HERBALIST YASO」を製造している新潟県上越地域は、夏は高温多湿、冬は低温多湿という発酵に適した気候です。

この風土の特性を活かし、独自の発酵技術を用いてあえて特別に温度や湿度を調整しない、なりゆき温度で酵素を製造して、自社で一元管理しています。
野草エキスを蒸留器で凝縮した際に生まれるアルコールをYASOの原料としてクラフトジンを製造しています。
越後薬草蒸留所では不定期でワークショップを開催しています。
蒸留所の工場見学に加えて、オリジナルのブレンド体験ワークよっぷを含む内容で、「THE HERBALIST YASO」をアートとして体感することができます。
限定商品の試飲やグッズの販売も行われ、蒸留所でしか手に入らない商品の購入もできます。
アルケミエ辰巳蒸留所
2017年にたった1人で立ち上げ、今現在も1人でジンやアブサンなどのスピリッツを蒸留している「アルケミエ辰巳蒸留所」
蒸留所のある犬啼谷は、古い地質から湧き出した水と郡上の気候風土で育つ様々なボタニカルにあふれています。
ベーススピリッツには焼酎を使用し、3月は和良町のわさび、4月は高鷲町の蕗の花、8月は明宝のブラックベリーやニガヨモギなど季節に合わせた旬のボタニカルを蒸留しクラフトジンを造っています。
蒸留所には「酒屋あぶしん」が併設され、スピリッツを楽しむことができます。
スピリッツの製造に時間を当てているので酒屋あぶしんの開店日は少なく、公式のFacebookでの確認が必要です。
地元の酒屋でも入荷直後に完売してしまう人気商品。
蒸留所の近くには辰巳蒸留所のお酒が楽しめる店もあるので、一度訪れてみると運よく出会えるかもしれません。
東京リバーサイド蒸溜所
東京で3つ目の都市型蒸留所として2021年に設立された「東京リバーサイド蒸溜所」

1階にオフィシャルストア、2階にバーを併設し、造り手が直接届ける循環の拠点となっています。
東京リバーサイド蒸溜所で造られるクラフトジン「Distiller’s CUT」シリーズは、ジンの蒸留においてカットという工程で生まれる製品化されない部分をベーススピリッツに使用しています。
様々なジンを蒸留する中で生まれるスピリッツを、期間限定のジンシリーズとして販売しています。
Distiller’s CUTシリーズが購入できるのは東京リバーサイド蒸溜所のみ。
直接蒸留所に行くことで購入できる商品となっています。
TATEYAMA GIN
クラフトジンは一般的に、単一または複数のボタニカルをベーススピリッツに浸漬して香り付けを行い蒸留しています。
TATEYAMA GINの商品である「TATEYAMA GIN ELEMENT」では、単一のボタニカルで香り付けし蒸留したスピリッツをそのまま製品化することで、個人でオリジナルのジンの探求ができるようになりました。
お酒との新しいかかわり方のきっかけとなる、お酒の製造工程体験や自身の手で調合することで自分だけの1本を生み出すことも可能です。
蒸留所では蒸留体験のワークショップや、関東中心に場所を借りて出張で行うブレンド体験のワークショップも行っています。
またOEMも請け負っており、最小10Lからのオリジナルジンの製造が可能です。
飲食店やブランドのオリジナルジンや、結婚式の引き出物などにも活用できます。
紅櫻蒸溜所
北海道初のクラフトジン「9148」を製造する紅櫻蒸溜所。
ジョージ・オーウェルの小説「1984」から「19」「84」をそれぞれ逆にして名付けられたクラフトジンには、自由な社会であるユートピアを目指す思いが込められています。
紅櫻蒸溜所では、蒸留所の見学や試飲販売が予約不要で入場可能。
予約をしていれば確実ですが、タイミングが合えば、その場で蒸留所の見学をすることができます。
入場ができない場合は、紅櫻公園本館のカフェでも試飲販売が可能。
売り切れ必須の貴重なクラフトジンを多く製造する紅櫻蒸溜所の商品を購入することのできる貴重な機会です。
双子蒸留所
2025年5月14日にスピリッツ製造免許の申請が認可されたばかりの双子蒸留所。
試作品づくりの段階の新しい蒸留所で、年内の商品化を目指しています。
群馬の旬の果物や、赤城山に自生するハーブ、草花を使った地元ならではのフレーバーを生み出したいと考えています。
地元の名物になってほしいとの願いを持つ、新しいクラフトジン造りに注目です。
蒸留所を知ることでさらにジンが楽しめる

歴史ある蒸留所から、新しい蒸留所まで、国内の蒸留所を紹介しました。
普段何気なく購入して飲んでいるお酒も、造り手のストーリーや背景を知ることでより身近に感じることができます。
蒸留所の見学などは、必ず前もって予約が必要ですのでご注意ください。