ジンが好きなら一度は耳にしたことがある「ジュネヴァ」
近年のクラフトジンブームの影響もあり、ジンのルーツとして改めて人気を集めています。
世界中で親しまれているジンですが、その起源をたどるとオランダで誕生したジュネヴァにたどり着くといわれています。
今回は、ジュネヴァがどのようなお酒なのか、ジンとの違いや味わいの特徴、おすすめのジュネヴァまで詳しく解説していきます。
ジュネヴァとは?

ジュネヴァは、オランダやベルギーで伝統的に作られている蒸留酒です。
英語では「Genever(ジェネヴァ)」、オランダ語では「Jenever(イェネーフェル)」と表記され、「オランダ・ジン」と呼ばれることもあります。
ジュネヴァの名前はジュニパーベリーが語源といわれています。
一般的なジンと同様にジュニパーベリーで香り付けを行いますが、最大の特徴はモルトワインと呼ばれる麦芽由来の原酒をベースに使用していることです。
そのため、ジンよりも穀物の風味が強く、ウイスキーにも似たコクのある味わいを楽しむことができます。
ジュネヴァの歴史

ジュネヴァの起源は16世紀のオランダといわれています。
当時、薬用酒としてジュニパーベリーを使用した蒸留酒が造られていました。
ジュニパーベリーには利尿作用や胃腸の働きを助ける効果があると考えられており、薬として利用されていたのです。
その後、蒸留技術の発展と共に一般にも広がり、オランダを代表する蒸留酒として知られることとなりました。
17世紀になると、オランダを訪れたイギリス兵たちがジュネヴァを飲み、気に入り、イギリスへ持ち帰られたジュネヴァが独自の進化を遂げ、現在のドライジンへと発展しました。
つまり、現代のジンはジェネヴァから派生されたお酒ということです。
ジュネヴァの種類

ジュネヴァには大きく分けて3つのスタイルがあります。
オード・ジュネヴァ(Oude Genever)
オードはオランダ語で「古い」という意味ですが、熟成年数が古いという意味ではありません。
モルトワインの使用比率など、伝統的な製法を守って造られているタイプを指します。
香りは穀物由来の甘いアロマや麦芽の香ばしさが中心で、ジュニパーベリーの爽やかな香りが穏やかに寄り添います。
一般的なドライジンのようなシャープさよりも、ウイスキーに近いコクと厚みを感じられるため、ウイスキー好きにも人気があります。
ストレートやロックでゆっくり味わうのがおすすめです。
ヨンゲ・ジュネヴァ(Jonge Genever)
ヨンゲは、「若い」という意味。
こちらも熟成年数ではなく、現代的な製法で造られたモルトワインの比率が低めに設定されているタイプを指します。
ストレートはもちろん、ソーダ割りやトニック割りなどのカジュアルな飲み方とも相性が良く、食中酒としても楽しめます。
コーレンワイン(Korenwijn)
ジュネヴァの中で、高品質なカテゴリーにあたるコーレンワイン。
モルトワインの比率が高く、ジュネヴァの中でも最も穀物の個性が際立ちます。
また、オーク樽で熟成される銘柄も多く、熟成によるバニラのような風味が加わるものもあります。
穀物由来の豊かな風味と複雑な香りが特徴で、プレミアムなジュネヴァとして知られています。
ジュネヴァの味わいの特徴

ジュネヴァの最大の特徴は、モルトワインによる豊かな穀物感。
パンやビスケットなどの麦芽を思わせる香ばしさを感じることができます。
ジンほど強烈ではありませんが、ジュニパーベリー由来の松や森林を思わせる清涼感が楽しめます。
「ウイスキーとジンの間のお酒」と表現されることもある、ウイスキーのような穀物の旨味とジンらしいボタニカルの香りを同時に楽しむことができるのが魅力です。
ジュネヴァおすすめの飲み方

ストレート
まず試してほしいのがストレート。
ジュネヴァ本来の香りや味わいを最もダイレクトに感じられる飲み方です。
オランダでは常温で飲まれることも多くあります。
温度が高いことで、穀物の甘味や複雑な香りがより感じやすくなります。
オン・ザ・ロック
氷を入れることでアルコールの刺激が和らぎます。
時間と共に変化する香りや味わいを楽しむことができる飲み方です。
ソーダ割り
ジュネヴァのコクを活かしながら爽快感をプラスできます。
ジンソーダとも違った味わいで、穀物の旨味が感じられる奥深い味わいになります。
食中酒としてもおすすめです。
ビールとの組み合わせ
オランダには「コピストート」という伝統的な飲み方があります。
ジュネヴァをストレートでひとくち飲み、その後にビールを飲むスタイルです。
ジュネヴァの香りとビールの麦芽の風味が絶妙にマッチする、一度試してほしい飲み方です。
おすすめのジュネヴァ3選
Bols Genever(ボルス ジュネヴァ)
世界的に有名なジュネヴァブランド「ボルス」
味わいの中心となるのは、ライ麦、トウモロコシ、小麦です。
まず連続式蒸留器で蒸留してモルトワインをつくり、次に単式蒸留器で2回蒸留してアルコールを47%まで下げます。
このモルトワインを50%以上使用することでなめらかなモルトの風味を実現しています。
透明な見た目ながら、味わいは非常に複雑で、軽快なジンが好みの人だけでなく、ウイスキーやラムなどの樽系、穀物系のお酒が好きな人にもおすすめです。
複雑な味わいは、カクテルのベースとしても活躍します。
| 商品名 | Bols Genever(ボルス ジュネヴァ) |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | ルーカス・ボルス社 |
| 生産国 | オランダ |
| ベーススピリッツ | モルトワイン(大麦麦芽)、トウモロコシ、ライ麦、小麦を原料としたトリプルグレインスピリッツ |
| 使用ボタニカル | ジュニパーベリー、アンジェリカ、コリアンダー、ジンジャー ほか、計22種類 |
| 度数 | 42% |
| 容量 | 700ml |
HOOGHOUDT PREMIUM JENEVER(ホーフハウト プレミアム ジュネヴァ)
ジュニパーベリー、スターアニス、イリスの根、オレンジの花、フェンネルシード、カルダモン、はちみつを3階蒸留した現代的で高品質なジュネヴァです。
一般的なジュネヴァに比べて、非常に滑らかな口当たりが特徴で、ジュネヴァを現代的アレンジしたような1本となっています。
ホーフハウトプレミアムジュネヴァの最大の特徴は、ベルベットのような柔らかさ。
独自のトリプル蒸留によって、雑味を抑えながら繊細な香りを引き出しています。
ジュネヴァらしい穀物感を残しつつ、重すぎず軽やかで飲みやすいスタイルです。
| 商品名 | HOOGHOUDT PREMIUM JENEVER(ホーフハウト プレミアム ジュネヴァ) |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | ホーフハウト蒸溜所 |
| 生産国 | オランダ |
| ベーススピリッツ | グレインスピリッツ(穀物アルコール)、熟成モルトワイン(大麦・ライ麦・トウモロコシ由来) |
| 使用ボタニカル | ジュニパーベリー、アイリスルート(オリスルート)、スターアニス、エルダーフラワー、カルダモン、フェンネルシード、オレンジブロッサム、ヘザーハニー、洋梨エキス |
| 度数 | 35% |
| 容量 | 700ml |
Zuidam Oude Genever(ズイダム・オードジュネヴァ)
オランダにあるズイダム蒸留所は、人工添加物や色素などを一切使用せずにリキュールやジン、ウォッカなどを造っています。
他の生産者とは一線を画した製品を生産する小規模な蒸留所として家族で経営されている蒸留所です。
ズイダムのオードジュネヴァは、大麦麦芽、ライ麦、トウモロコシといった原料と、ジュニパーベリー、リコリス、アニスシード、その他アロマティックなハーブを昔からの秘伝レシピで蒸留。
モルト化した大麦が骨格を作り、トウモロコシが甘みを、ライ麦がスパイシーさを加えることで、複雑で奥行きのある味わいを生み出しています。
ズイダムのボトルは、ラベル貼り、リボン装飾、ワックスシールが手作業で施されており、クラフトスピリッツらしい高級感も魅力のひとつです。
| 商品名 | Zuidam Oude Genever(ズイダム・オードジュネヴァ) |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | ズイダム蒸溜所 |
| 生産国 | オランダ |
| ベーススピリッツ | モルトワイン(大麦麦芽・ライ麦・トウモロコシを各3分の1ずつ使用した穀物原酒) |
| 使用ボタニカル | ジュニパーベリー、リコリスルート、アニスシード |
| 度数 | 38% |
| 容量 | 500ml/1000ml |
奥深い味わいを堪能しよう

ジュネヴァはオランダで生まれた伝統的な蒸留酒であり、現在のジンの原型といわれています。
麦芽由来のモルトワインをベースに造られるため、一般的なジンよりも穀物のコクや旨みが強く、ウイスキーとジンの中間のような魅力的な味わいが楽しめます。
ストレートやロックなどの定番の飲み方に加え、オランダならではの「コピストート」という飲み方もおすすめ。
ジン人気が高まる今こそ、そのルーツであるジュネヴァに注目してみてはいかがでしょうか。
きっと新しい発見と奥深い魅力に出会えることでしょう。









