「ジンを買いに酒屋に来たものの違いがよくわからない」
「種類が多くてどれを選べばいいのか迷う」
そんな経験をした人も多いのではないでしょうか。
近年のクラフトジンブームによって、全国各地で個性豊かな銘柄が誕生し、酒販店でも定番のお酒として扱われるようになりました。
しかし、ラベルを見ても聞きなれない言葉が並び、初心者には少しハードルが高く感じられることも。
実はクラフトジンのラベルには、味わいや香りがイメージできる情報が詰まっています。
今回は、酒屋で迷わず自分好みのクラフトジンを見つけられるように、ラベルの見方や選び方のポイントをお伝えしていきます。
まずはジンのスタイルを確認しよう

まず初めに見たいのが、ボトルに書かれているジンのスタイル。
ロンドンドライジン
最もスタンダードなスタイルのジンが、ロンドンドライジン。
酒屋で販売しているジンのほとんどがこのスタイルかもしれません。
「ロンドン」とついていますが、必ずしもロンドンで造られているわけではありません。
世界中で製造されており、製法や品質基準を満たしたものが「ロンドンドライジン」と呼ばれています。
ジュニパーベリーを中心にした爽やかな香りが際立ち、クセが少ないのが特徴。
定番のジンを飲みたい方や、カクテルを楽しみたい人におすすめです。
初めてクラフトジンを選ぶ場合、まずはロンドンドライジンを選ぶと失敗しにくいかもしれません。
ロンドンとついていなくても「ドライジン」と書かれているものも同じスタイルです。
蒸留所ごとの個性が表れやすく、ボタニカルの特徴をより強く感じることができます。
近年は、日本のクラフトジンでも、ロンドンドライジンの製法をベースに、日本ならではのボタニカルを加えた商品も数多く登場しています。
ネイビーストレングス
ネイビーストレングスは、アルコール度数57%前後の力強いジンです。
度数が高いと飲みにくい印象を持つかもしれませんが、ネイビーストレングスの魅力は香りの豊かさにあります。
アルコール度数が高い分、ボタニカルの香りをしっかりと感じやすく、炭酸やトニックウォーターで割っても香りが薄まりにくいという魅力があります。
一方で、ストレートやロックでは、アルコールの刺激を強く感じることもあるため少量から試すのがおすすめです。
オールドトムジン
オールドトムジンは、ほんのり甘みがある伝統的なスタイル。
18~19世紀のイギリスで広く親しまれたスタイルで、近年のクラフトジンの人気と共に再び注目されています。
一般的なドライジンに比べて味がまろやかで、優しい甘さが香ります。
ジンが苦手という人や、ジン特有のアルコール感が苦手な人でも飲みやすいのが魅力です。
酒屋で見かけることは少ないかもしれませんが、見つけたらぜひ試してもらいたいスタイルのひとつです。
ボタニカルで香りを想像する

クラフトジン最大の魅力が豊富なボタニカル。
ラベルや裏面に、使用されているボタニカルの記載があることがあるので確認してみると、香りや味を想像することができます。
柑橘系
ゆずやレモン、オレンジ、グレープフルーツなど柑橘系のボタニカルを使用したジンは、爽やかでフレッシュな香りが特徴です。
口に含んだ瞬間に広がるみずみずしい香りは、ジン初心者でも飲みやすくクセを感じにくいのが魅力。
ジントニックやジンソーダにすると爽やかさが増し、暑い季節にもぴったり。
日本で造られているクラフトジンでは、柚子やかぼす、シークヮーサーなど、地域特有の柑橘を使用した商品も多く、それぞれ異なった個性を楽しむことができます。
ハーブ系
ローズマリー、タイム、ミントなどのハーブ系のジンは、奥深い香りが特徴です。
青々とした植物の香りが感じられ、すっきりとした飲み口で、料理との相性も抜群。
肉料理や魚料理、チーズなどのおつまみなど幅広い食事に合わせやすいことから、食中酒としても人気があります。
ハーブの清涼感によって、後味がさっぱりとしているので食事の邪魔をしません。
スパイス系
コリアンダーやカルダモン、シナモン、クローブなどはジンでは定番のスパイスです。
特にコリアンダーはジュニパーベリーと並んで多くのジンに使用されており、爽やかさの中にスパイシーさを加えています。
スパイス系のボタニカルを使用したジンは、香りに奥行きがあり飲むたびに違った表情を楽しめるのが魅力。
ロックやストレートで香りをじっくり楽しむのもおすすめ。
寒い季節はホットジンとして楽しむのもいいでしょう。
フローラル系
ラベンダーやロース、エルダーフラワーなどの花のボタニカルを使用したジンは、華やかで優雅な香りが特徴。
グラスに注ぐと花の香りが広がり、フルーティーな印象を感じることもあります。
香水のような繊細な香りを楽しめるので女性人気も高く、贈り物にも最適です。
和素材
日本のクラフトジンならではの魅力が、和素材をボタニカルに使用したジンです。
煎茶や玉露、山椒、桜、生姜など、日本各地の素材を活かしたジンが多く造られています。
海外のジンにはない繊細で上品な香りが特徴で、日本人の味覚にも馴染みやすいのが魅力。
和食との相性も抜群です。
地域の特産品を使用していることが多いので、旅先の酒販店など覗いてみると面白い出会いがあるかもしれません。
アルコール度数にも注目

アルコール度数40%未満のジンは軽やかな印象、50%前後のジンは香りが豊かと、アルコール度数によってもイメージが変わります。
度数が高くなると香り成分も豊かになり、ソーダやトニックウォーターで割っても、しっかりとジンのボタニカルが感じられます。
まずは40~45%程度のジンがおすすめですが、飲み方や好みにあわせて選ぶといいでしょう。
生産地にも特徴がある

クラフトジンは「どこで造られたか」によっても個性が大きく変わります。
その土地で育ったボタニカルや、土地の気候、蒸留所の思想が味わいに反映されるため、生産地や蒸留所を知ることで香りや風味を想像することができます。
東北地方
東北地方は果樹栽培が盛んな地域ならではのボタニカルを活かしたジンが人気。
りんごや山ぶどうなどの果実を取り入れたフルーティーで親しみやすい香りのジンが楽しめます。
また、森林資源も豊富なので杉やクロモジなどを使用した、落ち着いた香りのジンも見つけることができます。
関東地方
関東地方には都市型のクラフトジン蒸留所が多くあり、王道のロンドンドライジンから個性的な商品まで幅広く造られています。
伝統的な製法を守りながら、個性を発揮するクラフトジンや、海外のトレンドを取り入れたハイセンスなクラフトジンなどバリエーションが非常に豊富です。
中部地方
中部地方は豊かな山々と清らかな水に恵まれた地域。
長野のハーブや静岡のお茶、山梨のぶどうなど、土地ならではの素材を活かしたクラフトジンが魅力です。
北陸には森林由来のボタニカルを使用する蒸留所もあり、自然を感じられる優しい香りのジンが豊富です。
関西地方
日本を代表するクラフトジンが多く誕生しているエリアでもある関西地方。
日本初のクラフトジン専門蒸留所「京都蒸溜所」では日本文化を感じさせるボタニカルが使用されています。
繊細で上品な味わいは、和食との相性も抜群で、海外からも注目されています。
中国・四国地方
瀬戸内海地域ではレモンや橙、柚子など温暖な気候を活かした柑橘系のボタニカルを使用したジンが人気。
フレッシュで軽やかな飲み口を楽しむことができます。
九州・沖縄
九州・沖縄では焼酎造りの技術を活かしたクラフトジンも多く見られます。
南国らしい柑橘類をはじめ、生姜や緑茶など地域色豊かなボタニカルを使用しています。
イギリス
ジン発祥の地としても知られるイギリスは、世界中のジンの基準でもあります。
ジュニパーベリーを中心とした王道の味わいが多く、バランスの取れた香りをキレのある後味が特徴。
まずは定番のジンを求める人には、イギリスのジンがおすすめです。
アメリカ
アメリカでは、自由な発想のクラフトジンが多く造られています。
個性的なボタニカルを使用したものも多く、定番に飽きた方や新しい香りを探している人に人気があります。
酒屋には手に取って選ぶ楽しみがあります

無色透明のクラフトジンは、一見するとどれも似たボトルに見えます。
しかし、ラベルにはそのジンの個性や蒸留所のこだわりが詰まっています。
酒屋でボトルを手にしたら、ジンのスタイルやボタニカル、生産地、蒸留所を確認してみてください。
ラベルをじっくりと眺めながらお気に入りの1本を探す時間は、いつものお酒選びをより豊かな時間に変えてくれるでしょう。







