日本のクラフトジンには、柚子や檜、煎茶、桜など、日本らしいボタニカルを使った銘柄が数多くあります。
そのなかでも、独特の清涼感とピリッとした刺激を持つ「山椒」は、クラフトジンとの相性がよいボタニカルのひとつです。
山椒特有の爽やかな香りやスパイシーな刺激は、ジュニパーベリーの清涼感とも調和しやすく、ジンの後味をキリッと引き締めてくれます。
今回は、ボタニカルとして山椒を使用しているクラフトジンを紹介します。
山椒を使ったクラフトジンの魅力とは?

山椒には、柑橘を思わせる爽やかな香りと、舌や口の中に残るピリッとした刺激があります。
この特徴は、ジンの主要ボタニカルであるジュニパーベリーとも相性がよく、ジンに清涼感やキレを加える素材として活用されています。
また、山椒は柚子やすだち、レモンなどの柑橘とも相性抜群。
そのため、日本のクラフトジンでは「山椒+柑橘」という組み合わせも多く見られます。
一方で、クロモジや檜、杉などの樹木系ボタニカルと組み合わせると、森林を思わせるような香りを表現することもできます。
さらに、梅や杏などの果実と合わせれば、山椒の刺激を柔らかく感じられるようになります。
山椒を使ったクラフトジンは和食との相性も抜群

山椒の魅力は、料理との合わせやすさにもあります。
山椒はもともと日本料理で親しまれてきた香辛料なので、和食との相性がよいのが特徴です。
例えば、焼き鳥、うなぎ、焼き魚、天ぷら、唐揚げなど、香ばしい料理と合わせると山椒の爽やかな香りが料理の脂を軽くしてくれます。
また、刺身や冷奴、浅漬けなど、比較的さっぱりした料理とも合わせられます。
特にソーダ割りにすると、食事の邪魔をしにくく、食中酒として楽しみやすくなります。
クラフトジンというとバーでカクテルとして飲むイメージもありますが、山椒を使ったジンなら、普段の食事と一緒に楽しむのもおすすめです。
使われている山椒に注目

山椒と一言でいっても、使う部位や品種によって香りの印象は変わります。山椒を使ったジンを選ぶ際は、どのような山椒が使われているのかにも注目してみましょう。
実山椒
最も多くジンに使われている山椒の形態。
部位や品質の指定がない「山椒」と表記されている時は、実山椒を使用していることがほとんどです。
奈良県吉野などが産地として有名で、皮つき実山椒と、種だけを取り除いた剥皮実山椒の2タイプが流通しています。
葉山椒(木の芽)
実山椒よりマイルドで青々とした強い香りが特徴の葉山椒。
「木の芽」とも呼ばれます。
実山椒の刺激が苦手な人は、葉山椒を使用したジンから試してみるのがおすすめ。
ぶどう山椒
和歌山県有田川町・紀美野町を中心に栽培されている大粒で香り高い品種です。
一般的な山椒よりも香りが繊細で、辛みの伸びがあるとされています。
四川山椒
中国四川省産の山椒の近縁種。
和山椒より刺激的な辛みと、独特の香りが特徴です。
中華料理では、麻婆豆腐などで使われる定番のスパイスで、独特なフローラル感を持つ素材として使われています。
山椒を使ったクラフトジン6選
CLASSIC DRY GIN
山椒の存在感を楽しみたい人に注目してほしいのが、長野県の野沢温泉蒸留所が手がける「CLASSIC DRY GIN」です。
伝統的なドライジンのスタイルをベースにしながら、山椒とレモンを組み合わせているのが特徴。
山椒は、ピリリとしたパンチのあるアクセントとして使われています。
山椒はすべて手で剥いて使用し、その個性を引き出すことにこだわっています。
山椒と組み合わせているのが、広島県産のビアフランカレモン。繊細な香りと少ない苦味を持つレモンが、山椒の清涼感を引き立てます。
さらにオリスルートによるウッディで甘い香りも加わり、山椒だけが突出するのではなく、ドライジンらしい骨格のなかに山椒の刺激を感じられる仕上がりです。
| 商品名 | CLASSIC DRY GIN(クラシックドライジン) |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | 野沢温泉蒸留所 |
| 生産国 | 日本 |
| 使用ボタニカル | 山椒、ビアンカレモン(広島)、オリスルート |
| 度数 | 48% |
| 容量 | 500ml |
槙-KOZUE-
「槙-KOZUE-」最大の特徴は、希少な針葉樹である高野槙(コウヤマキ)の葉をボタニカルに使用していること。
新緑を思わせるコウヤマキの香りと、ジュニパーベリーの特徴的な香りが調和した、香り豊かなジンです。
そこに和歌山県産温州みかんの皮、レモンの皮の爽やかな香りと山椒の香りが後味を引き締めています。
グラスに注ぐと、森のような爽やかな香りが広がり、柑橘の穏やかな甘みと山椒のアクセントを感じることができます。
| 商品名 | 槙-KOZUE-(こずえ) |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | 中野BC/富士白蒸留所 |
| 生産国 | 日本 |
| 使用ボタニカル | ジュニパーベリー、高野槙の葉、温州みかん、レモン、山椒など |
| 度数 | 47% |
| 容量 | 700ml |
JAPANESE CRAFT GIN 熊野
和歌山らしい素材をふんだんに使用した「JAPANESE CRAFT GIN 熊野」
南高梅、温州みかん、柚子、すだち、ぶどう山椒、真妻わさび、生姜などの19種類のボタニカルを使用しています。
ぶどう山椒は、和歌山県を代表する山椒のひとつ。
一般的な山椒とはまた違った香りを楽しめるため、ぜひ試して欲しい1本です。
山椒だけを前面に押し出したジンではなく、さまざまなボタニカルと組み合わせることで、香り高くフルーティーな味わいを感じることができるジンに仕上がっています。
| 商品名 | JAPANESE CRAFT GIN 熊野 |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | 紀州熊野蒸溜所 |
| 生産国 | 日本 |
| 使用ボタニカル | 19種:ジュニパー、コリアンダー、キャラウェイ、吉野杉、スターアニス、オールスパイス、クローブ、ベイリーフ、シナモン、和歌山県南高梅、柚子ピール、温州みかんピール、すだちピール、サカキ、真妻わさび、ぶどう山椒、生姜、ラベンダー |
| 度数 | 53% |
| 容量 | 500ml |
AWA GIN
徳島県の素材を中心に100%国産原料のみで造られている「AWA GIN」
ボタニカルには、徳島を代表する柑橘のすだちや木頭ゆずの果皮、阿波晩茶、そして国産山椒を使用しています。
山椒の清涼感のある香りによって和の風味を高めています。
すだちや木頭ゆずによる爽やかな香りと山椒が重なり、奥行きのある味わいを生み出しているのが特徴です。
ベースには徳島県産山田錦を使った米由来のアルコールを使用。
そのため、一般的なドライジンとは少し違った、米由来の柔らかなニュアンスも楽しめます。
山椒、すだち、ゆずという和のボタニカルを組み合わせたジンなので、刺身や焼き魚、天ぷらなどの和食とも相性抜群です。
| 商品名 | AWA GIN(アワジン) |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | 日新酒類 |
| 生産国 | 日本 |
| 使用ボタニカル | ジュニパーベリー、すだち、柚香、阿波晩茶など |
| 度数 | 45% |
| 容量 | 720ml |
季の美 京都ドライジン
京都蒸溜所が手がける京都生まれのクラフトジン。
ジュニパーベリーをベースに、柚子、レモン、山椒、木の芽、生姜、玉露、赤紫蘇、笹の葉など、11種類のボタニカルを使用しています。
山椒を使ったクラフトジンとして注目なのが、山椒の実と木の芽の2種類を使っていること。
山椒は爽やかな柑橘の香りと共に、ピリッとしたスパイシーなニュアンスをもたらします。
山椒だけを強く押し出すのではなく、柚子や玉露、赤松などの和素材と調和させることで、キリッとしたドライジンらしさのなかに京都らしい繊細な香りが表現されています。
| 商品名 | 季の美 京都ドライジン(KI NO BI) |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | 京都蒸溜所 |
| 生産国 | 日本 |
| ベーススピリッツ | ライススピリッツ |
| 使用ボタニカル | ジュニパーベリー、柚子、檜、玉露、山椒、赤紫蘇、笹の葉、レモンピール、生姜、オリスルート、コリアンダーシード |
| 度数 | 45.7% |
| 容量 | 700ml |
ROKU〈六〉
「ROKU〈六〉」は、サントリーが手がけるジャパニーズクラフトジン。
日本ならではの6種類のボタニカル、桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子を使用しているのが大きな特徴です。
なかでも山椒は、スパイシーでキリッとした香りをもたらすボタニカルとして使われています。柚子による爽やかな柑橘の香りや、煎茶・玉露による穏やかな旨みと重なり、複雑ながらも調和の取れた味わいを楽しめます。
ROKU〈六〉では、春・夏・秋・冬という日本の四季を表現することにもこだわっています。桜花と桜葉は春、煎茶と玉露は夏、山椒は秋、柚子は冬の象徴として選ばれています。こうした季節のボタニカルを一つにまとめることで、日本らしい繊細な香りを表現しています。
柑橘の爽やかさに続いて山椒のスパイシーなアクセントが感じられ、後味にはお茶のまろやかなニュアンスが広がります。
| 商品名 | ROKU〈六〉 ジャパニーズクラフトジン |
|---|---|
| 蒸留所名/メーカー | サントリー |
| 生産国 | 日本 |
| 使用ボタニカル | 桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子など日本の四季が生んだ六種の和素材を中心に計14種類 |
| 度数 | 47% |
| 容量 | 700ml、200ml |
山椒の香りを楽しめるクラフトジンを選んでみよう

山椒を使ったクラフトジンには、山椒を主役にしたものから、柑橘や森林系のボタニカルのアクセントとして使用しているものまで、さまざまなタイプがあります。
山椒は、柑橘のような爽やかさとスパイスのような刺激を併せ持つ日本らしいボタニカルです。
普段から山椒を使った料理が好きな人はもちろん、一般的な柑橘系やハーブ系のクラフトジンとは少し違った1本を探している人も、ぜひ山椒を使ったクラフトジンを試してみてはいかがでしょうか。











